【7月14日 AFP】グルジアで前週、ミヘイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)大統領の専属カメラマンを含む報道カメラマン3人が、ロシアに機密情報を渡したスパイ容疑で拘束・起訴された。同国メディア業界には動揺が広がり、欧米外交筋も懸念を表明するなか、ヴァノ・メラビシュビリ(Vano Merabishvili)内相は13日、3人と露情報機関とのつながりを示す証拠があると述べ、当局の対応の正当性を主張した。

 報道カメラマン3人には、親欧州派のサーカシビリ大統領に関する機密情報を収集し、露情報当局に渡した疑いが持たれている。

 メラビシュビリ内相は、3人のうちスパイ活動の中心人物とされる写真通信社EPAEuropean Pressphoto Agency)のカメラマン1人について、露当局者と長期契約を結んでいたことを証明できると述べた。このカメラマンが2004年から、ロシア軍の情報機関メンバーだと特定された複数の人物と接触を繰り返していた通話記録があるという。

 また内務省は、前週3人が拘束された際に大統領の詳細な行動を記録した機密文書が見つかったと説明している。

 しかし、グルジアの報道記者らは、事件が機密扱いとされていることに抗議し、国民に開かれた調査を実施するよう求めて連日デモを行っている。

 一方、ロシアは事件について「反ロシアヒステリー」症状だと一蹴(しゅう)した。旧ソビエト連邦に所属していたグルジアは、2008年にロシアとの間で軍事衝突を起こしており、露当局がグルジア国内でスパイ活動を行っていると非難を繰り返している。(c)AFP/Irakli Metreveli

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