【6月16日 AFP】米国の新米パパたちが仕事の忙しさと、親としての責任との間で板ばさみになる傾向が強まりつつあるという研究結果が15日、発表された。

 米ボストンカレッジ(Boston College)のワーク&ファミリーセンターが大企業に勤めるホワイトカラーの父親たち約1000人を対象に調査したもの。調査結果からは、「職場でのキャリアアップと家庭での妻との役割分担とに奮闘し、両立に失敗している父親像」が示され、父親たちが子供の世話係と稼ぎ手という1人2役の兼ね合いに苦労している実態が明らかになった。

 父親に子育てへの参加を求める傾向は昔からあった。しかし、ここ数十年は、父親が外で働き母親が家事をするという「伝統的な家族形態」が崩壊し、共働きや片親家庭が圧倒的に増えたことから、子育てにおける父親の分担量が増えざるを得ない状況に陥っている。

 今回の研究によると、米国の高学歴人口は今や女性が男性を上回り、労働力人口でも近年になって初めて女性が男性を抜いたという。

 父親たちの大半が子育てへの意欲を示している一方で、その意欲がかたちになっていない新米の父親が多いことも明らかになった。調査では、父親の77%が「子供と過ごす時間を増やしたい」と回答したが、「子供と過ごす時間に満足している」と回答したのはわずか22%だった。

 また、過去3か月間に、仕事が忙しくて子育てに全く参加できなかったと回答した父親は57%いた。

 子供の誕生日に休暇を取りますかという質問には、75%以上が「1週間以下の休みを取る」と答えたが、16%は「1日も休まない」と答えた。(c)AFP