【5月23日 AFP】世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7度制したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏の元チームメイトが、22日放送されたテレビ番組内で同氏の禁止薬物摂取を告白した。

 CBSのテレビ番組「60ミニッツ(60 Minutes)」に出演してインタビューに答えたタイラー・ハミルトン(Tyler Hamilton)氏は、米ロサンゼルス(Los Angeles)連邦大陪審での証言を詳述し、レーシングチームなどがアームストロング氏の禁止薬物使用の秘密が明るみに出ないように動いていると語った。

 ハミルトン氏は、2000年のツール・ド・フランスでアームストロング氏が輸血を受けたり、1999年から2001年にかけては同大会の開幕前や期間中にエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)の注射を受けるところを見たと語った。

「僕らと同じように、彼が一度だけでなく何度も注射するのを見た。僕も何度も何度もした。彼はチームのリーダーだった。彼は、サイクルロードレース界の慣習に従って、みんながしているようにドーピングしていた。(アームストロング氏は)僕らが摂取していたものを摂取していた。EPOにテストステロン (testosterone)。それに輸血しているところも見た」

 これまで禁止薬物の摂取を否定しているアームストロング氏の弁護士を務めるマーク・ファビアーニ(Mark Fabiani)氏は22日、以下のような声明を発表してCBSを批判した。「今回の全ての過程を通じてCBSは、報道における公平性を大いに欠いた論証を行い、責任を欠いた扇情主義に走った。CBSは疑わしい情報源に頼り、ランスの500回近くに及ぶテストのクリーンな結果や、(取材していれば)彼の才能や競技倫理について話していたであろう数百人の元チームメイトやライバルを無視した」。(c)AFP