【5月13日 AFP】米特殊部隊による国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者殺害を受け、ケニア政府はバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の祖母、サラ(Sarah Obama)さんの自宅周辺で警備を強化している。地元当局者が12日、明らかにした。

 ビンラディン容疑者が殺害されたのは2日だが、現時点ではケニア西部コゲロ(Kogelo)村に住むサラさんの家族に差し迫った脅威はない。だが、アルカイダの支持者らが報復を誓っていることもあり、ケニア政府は警戒を強めている。

 地元当局者は、「テロを含む安全の脅威に直面するなか、ママ・サラ(サラさんの敬称)の自宅警備を強化することを決定した」と話しており、サラさん宅の訪問者は、親族も含め、徹底したセキュリティーチェックを受けることになる。また、サラさんの外出時も、ボディーガードを付けるなどして安全に配慮するという。

 サラさんは、オバマ大統領の父方の祖父の3番目の妻で、オバマ氏とは血のつながりはないが、オバマ氏は、しばしば「わたしの祖母」と呼んで親愛の情を示している。

 サラさん宅には、孫のオバマ氏が2008年に大統領に選出されて以来、継続的に警備体制が敷かれている。その一方で、ケニア政府は09年、観光促進を目的に、サラさん宅があるコゲロ村を国家遺産に指定した。

 ケニアでは1998年にも、アルカイダ系組織により首都ナイロビ(Nairobi)の米大使館が爆破され、米国人12人を含む213人が死亡した事件が起きたこともあり、アルカイダの報復宣言には神経をとがらせている。(c)AFP