【4月27日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領とイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相は26日、欧州の協定締結国間のビザなし渡航を認めるシェンゲン協定(Schengen Treaty)を修正すべきとの認識で一致し、欧州連合(EU)首脳部あてに書簡を送った。

 ローマ(Rome)で行われた首脳会談で、書簡に共同署名した。ベルルスコーニ首相は会談後の記者会見で、「われわれはシェンゲン協定に特例措置が設けられるべきだという点で一致した」と述べた。

 欧州統合に向けて1985年に初めて署名された同協定は、現在25か国4億人にパスポートを持たない締結国間の自由な行き来を保証するものだが、移民の受け入れをめぐって多くの国々で小競り合いが起こるなか、協定の是非が問われている。

 イタリアへは、今年に入って北アフリカから3万人近い難民が流入している。大半がチュニジアからの経済難民だが、リビアの紛争から逃れてきた人も多い。伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)は、「緊張はこれまでになく高まっている」と記している。

 イタリアは、こうした難民を自分たちだけが背負わされていると不満をもらしている。だがフランスは、フランス語を話すチュニジア人の多くがフランスへ行きたがることを承知した上で、イタリアが難民らに一時滞在許可や渡航許可を与えたことを非難している。(c)AFP/Nadege Puljak and Gildas Le Roux

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