【3月28日 AFP】東京電力(Tokyo Electric Power Co., TEPCO)が、深刻な事故が起きた福島第1原発の放射線の測定結果を誤って発表し、その後訂正したことについて、枝野幸男(Yukio Edano)官房長官は28日の記者会見で、「放射線の測定は、さまざまな安全確保の大前提だ。こうした間違いは決して許されるものではない」と述べ東京電力を批判した。

 東電は27日、2号機タービン建屋内にたまった水の放射性物質の濃度が通常運転時の1000万倍だと発表した後に数値を訂正し、強く批判されていた。

■圧力容器破損の恐れ、東電

 また時事通信(Jiji Press)によると、東電は28日の会見で、1~3号機のすべての圧力容器に破損がある可能性に初めて言及した。

 1~3号機のタービン建屋内のたまり水からは、核分裂反応を示す放射性物質のヨウ素131やセシウム137などの元素が検出されている。

 また、タービン建屋では前週、作業員3人がたまり水で被ばくして病院に搬送されたが、適切な情報を提供せずに作業員を危険な場所へ行かせたとして、東京電力が厳しく非難されている。

■5、6号機近くの海水から1150倍の放射性ヨウ素を検出、保安院

 経済産業省原子力安全・保安院(NISA)は同日、第1原発5、6号機放水口の北側約30メートルの地点で採取した水から、法定基準値の1150倍の放射性ヨウ素が検出されたことを発表した。5、6号機は地震発生時に定期点検で停止中だった。

 27日にも、放水口から数百メートル離れた地点で採取した海水から、法令で定める濃度限度の1850倍の放射性ヨウ素が検出されていた。(c)AFP