【3月25日 AFP】2010年にドーピング違反に問われたアルベルト・コンタドール(Alberto Contador)の出場停止処分をめぐり、国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)は24日、スペイン自転車連盟(Spanish Cycling Federation)が下した処分撤回の決定について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に意義を申し立てると発表した。

 コンタドールは、通算3度目の総合優勝を飾った2010年のツール・ド・フランス(2010 Tour de France)期間中の薬物検査で、微量の筋肉増強剤クレンブテロールの陽性反応が検出された。

 スペイン自転車連盟は当初、コンタドールに1年間の出場停止処分を下したが、その後「知らない間に薬物に汚染されていた肉を食べていて、過失ではない」とのコンタドールの主張を受け入れ、2011年2月に処分を撤回していた。

 CASの裁定が下るまでは、コンタドールはレースに出場可能。現在出場中の第91回カタルーニャ一周レース(90th Volta a Catalunya)では、第4ステージを終えて総合首位に立っている。

 コンタドールは報道陣に対し「僕は、もし何かが起きたときは、起こるべくして起こったと思うタイプの人間だ。たぶんこの件はCASで裁かれるべきで、僕の無実もそこで更に明確になるだろう。好ましい状況ではないけれど、代理人の弁護士の弁論に全幅の信頼を置いている」と語った。

 コンタドールの処分撤回をめぐっては、世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)もCASに異議を申し立てることができる。

 クレンブテロールは体重低下・筋肉増強などの効果のある薬物で、家畜の赤身を増やすためにも使われていた。1996年に欧州連合(EU)によって使用が禁止されたものの、少数の畜産農家ではいまだに不法に投与されている。(c)AFP

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