【3月21日 AFP】東北地方太平洋沖地震と津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市で、倒壊した住宅に閉じこめられ、20日に9日ぶりに祖母の阿部寿美(Sumi Abe)さん(80)とともに救助された阿部任(Jin Abe)さん(16)が21日、救助されるまでの様子を語った。

 任さんと寿美さんは11日の地震発生時、2階建ての木造住宅の2階部分にある台所にいた。住宅が倒壊した際に2人は中に閉じこめられたが、任さんは毛布や食料、飲料などを手に入れ、祖母と身を寄せ合って持ちこたえたという。

 任さんは21日、入院先のベッドで、お菓子や水などを見つけることができたのでそれを食べていたと報道陣に語った。

「音は聞こえていたが、外に出られなかった」と、任さんは語り、「ひと部屋くらいの広さ」に閉じこめられており、立って歩くことはできなかったと述べた。

 20日になってがれきの外にはい出ることができたため、助けを呼び、救助隊に助け出されたという。「助かってよかった」と、任さんは語った。

 父の明さんは、息子と再会できることをあきらめていなかった。「必ず生きていると信じてきた」と述べ、「口数は少ないけど、前から大した奴だと思っていた。今回はそれを証明してくれてすごく頼もしく思っている」と語った。(c)AFP