【4月1日 AFP】氷河にある火山が噴火したアイスランドで、溶岩で調理し噴火口のそばで給仕するという独創的なディナー体験をシェフたちが提供した。

 シェフのFridgeir Eirikssonさんは、「不可能だと言われると試してみたくなる。それがわたしの哲学さ」と語った。

 Eirikssonさんは、エイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajoekull)氷河にある火山が3月21日に噴火したことを知り、「美味しいディナーを火山で提供する」計画の考案を始めた。

 29日には、首都レイキャビク(Reykjavik)の高級ホテル「ホルト(Holt)」の同僚のシェフ3人を誘い、火山のふもとに食材と「大量のシャンパン」を車で運び込んだ。

 溶岩流のそばにレッドカーペットを敷き、小さなテーブルとイス2脚で仮説のダイニングスペースを作った。そこに、ヘリコプターでレストランの常連客2人を呼んだという。

「溶岩で調理したかったから溶接マスクと手袋を持って行ったけれど、溶岩があふれてる場所に危険なほどは近づかなかったから結局使わなかった。でも溶岩原の周辺は熱くて、溶岩で調理を始めたら冬用のコートを脱がなきゃいけないほどだった」(Eirikssonさん)

 ここ数日の山間部の気温はマイナス30度ほど。ダイニングテーブルの周囲には溶岩が流れていたものの、食事客はずっと着込んだまま食事をした。

 提供された料理のメニューは、ロブスターのスープ、ロブスターとあんこうの焼き物、溶岩で調理したシャロット。シャンパンはヴーヴ・クリコだった。

 シェフたちは常連客の2人のためにこの特別なディナーを用意したという。ヘリコプターの旅費と食事を合わせて価格は1人6万クローナ(約4万4000円)。シェフたちは2人のためだけの特別ディナーと考えていたが、好奇心旺盛な観光客にも少々おすそわけした。また、Eirikssonさんによると、ハリウッドのテレビ番組プロデューサーからも「再演」の要望があったそうだ。(c)AFP

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