【3月29日 AFP】中国・四川省(Sichuan)成都(Chengdu)に開館予定の「漢奸館(国賊博物館、Traitors Museum)」が、「20世紀の汚職公職者ワースト100人」の候補者の一般推薦を受け付けている。国営新華社(Xinhua)通信が27日、地元紙報道として伝えた。

 新華社によると、この博物館は樊建川(Fan Jianchuan)館長による私設博物館。インターネット上で提唱されたアイデアを元に、展示品を集めている。20世紀に汚職・収賄などに関与した公職者ワースト100人は、一般から推薦された候補者について博物館のウェブサイトでネット投票を行って選出する予定だという。

 樊館長の懸念は、あまりに多くの推薦が殺到する可能性だ。「候補者を100人に絞り込むには、厳密に汚職の度合いを審査する必要がある」と同館長。審査項目は役職、着服した金額、手段、状況、事件の衝撃度などだという。
 
 同博物館では、汚職への警鐘を鳴らすとともに、汚職に対する抑止力の役割を担うことを狙っており、樊館長は、中国共産党の中央規律検査委員会の支援を受けて、再犯防止を目的とした服役囚向けの見学ツアーを実施するなど、博物館を反汚職教育の拠点センターとしたい考えだ。

 博物館の開館時期については報じられていない。(c)AFP