【3月18日 AFP】アフリカ東部ウガンダで16日、世界遺産に指定されているバガンダ(Baganda)族の王国時代の墓が、放火とみられる出火で焼失し、翌日これに怒った王族の支持者らによる暴動に治安部隊が発砲、若者2人が死亡した。

 火災は16日夜、首都カンパラ(Kampala)近郊にある「ブガンダ王国」の歴代の王の墓で発生し、128年の歴史をもつ墓のほとんどが焼失した。バガンダ族はカンパラを中心にウガンダ南部に分布する同国最大の民族。

 この墓の火事で、現在政治的地位はないがウガンダの文化的指導者と位置づけられている国王ムテビ2世(Ronald Muwenda Mutebi II)を支持する若者たちが怒り、機動隊と小競り合いとなった。

 さらに17日、火災事件の背後には現政権がいると主張して抗議する群衆たちは、火災後の墓地を訪れようとしたヨウェリ・カグタ・ムセベニ(Yoweri Kaguta Museveni)大統領を妨害しようとし騒ぎは大きくなった。

 群衆たちは大統領にブーイングを浴びせ、政権を批判するプラカードを掲げ、大統領の車列が墓地に近づくとバリケードを築いた。車列の到着間近になると、状況が悪化することを恐れた治安部隊が発砲し2人が死亡、5人が負傷した。治安部隊は警告のため空に向けて発砲したもので、群衆に向けては撃っていないと主張している。(c)AFP