【3月4日 AFP】洗濯機に向かって話しかける冷蔵庫、食器洗い機に指示を出すテレビ――。これが、ドイツ・ハノーバー(Hanover)で2日開幕した世界最大の情報技術見本市「CeBIT」に出品されたソフトウエア「ハイドラ(Hydra)」がもたらす未来の家庭の姿だという。

 だが、冷蔵庫が洗濯機に話しかけることで人間にどんなメリットがあるのだろうか?

「たとえば、居間のソファに座ったまま、携帯電話で洗濯機のスイッチを入れることができる」と話すのは、このソフトを開発したクリスチャン・プローズ(Christian Prause)氏だ。もし何らかの理由で洗濯機が作動しなかった場合は、今度は冷蔵庫に携帯から指示を送れば、「冷蔵庫が洗濯機にスイッチオンを命令」するようなことも可能という。

 旅行先で、自宅のカーテンを閉め忘れたことに気づいたとしても、パニックになる必要はない。ハイドラを搭載した携帯電話からテキストメッセージを送れば、カーテン開閉装置が働いてくれる。作動しなかった場合でも、テレビやラジオに手助けしてもらうことができる。

 ただ、このソフトはまだ試作段階。欧州連合(EU)の資金援助を受けた10のパートナーが4年間かけて開発し、ようやくまでこぎつけた。人々の時間とエネルギーとイライラを節約してくれるこの「ハイドラ」の商用化は、「運が良ければ」可能だという。(c)AFP