【2月26日 AFP】ハリウッドのB級ホラー映画に登場する生ける屍(しかばね)「ゾンビ」たちは、時折、うめき声を挙げるほかは言葉は発しないものだ。だが、米国の裁判所でこのほど、ゾンビたちの発言権を認める判決が下された。

 米ミネソタ(Minnesota)州ミネアポリス(Minneapolis)の連邦地裁は24日、警察による身柄拘束は不当だとした「ゾンビ集団」の訴えを認める判決を下した。

 この「ゾンビ集団」の正体は、大量消費社会に反対する市民グループのメンバー7人だ。2006年に市内のショッピングモールで、顔は白色に、目の周りを黒く塗りたくり、偽の血のりにまみれたゾンビのふん装で足をひきずり、「脳みそ売り場はこちら」「脳みそクリーニングは5番売り場で」などと買い物客らに呼びかけながら抗議運動を行っていたところ、風紀紊(びん)乱行為で警察に逮捕された。

 警察によると、グループは当時、拡声器や携帯電話機などの音響製品を複数のバッグに入れて所持しており、「大量破壊兵器を真似たようだった」という。

 だが、市民グループは逮捕は不当だとしてミネアポリス連邦地裁に提訴。3人の裁判官で構成される審査員団は、2対1で警察にはグループを逮捕する正当な事由に欠けるとの判断を下した。(c)AFP