【1月20日 AFP】ハイチ大地震の直撃したポルトープランス(Port-au-Prince)で20日、25歳の女性がショッピングセンターのがれきの下から7日ぶりに救助された。

 救助されたのはホテリン・ロサナ(Hoteline Losana)さん。救助隊にがれきから引き上げられる中、涙をこぼし、「神の奇跡だ」と言葉を漏らした。

 救助隊員によれば、「ロサナさんは意識を保っており、健康状態も良好」。1週間にわたって水や食糧が無かったにもかかわらず生存したことに、隊員からも驚きの声が上がっていた。

■12時間の救助活動

 救助活動は12時間に及んだ。

 きっかけは、「国境無き救助隊(Rescuers Without Borders)」のメンバーが、倒壊した建物の下から生存者のかすかな反応を察知したことだという。その場でがれきを掘り起こそうとしていたハイチの民間人と交代して、救助隊は、がれきの撤去に取りかかった。

 作業開始から3時間後、救助隊は、下敷きになった被災者の生存をついに確認した。

 救助隊が休みなく救出作業を続る中、救助隊リーダーのベッソン(Besson)氏は、興奮したチームメンバーに落ち着くよう語りかけた。「あまりエキサイトしないようにしよう。失敗したら、全員が落胆する」

 そして、ドリルで開けられた小さな穴からカメラと照明を中に差し込み、米国から来た消防隊員が「ホテリンさん、照明が見えますか?」と英語で問いかけた。

 不安な静寂は、「ええ、見えるわ」という大きくてはっきりした声で破られ、救助隊メンバーの間に喜びが広がった。そしてその喜びは、ロサナさんの姿が見える段階になって大歓喜に変わった。

 倒壊した建物から救助された後、ロサナさんが要望した物は電話だった。暗記していた兄弟の番号に電話をかけたロサナさんは「助けてもらったのよ。助けてもらったの!愛してるわ!」と語りかけた。

 救急車に運ばれる間、ロサナさんは、救助隊50人のメンバーたちへの感謝の気持ちを歌で伝えたという。(c)AFP