【1月10日 AFP】国営新華社(Xinhua)通信は10日、中国の国営ラジオがエイズウイルス(HIV)感染の予防啓発を目的とした番組の放送を始めると伝えた。

「ポジティブ・トーク」と題されたこの番組は、HIV感染者がパーソナリティを担当し、16日から毎週土曜日に放送される。ラジオ局によると、「エイズの知識普及を図り、予防と管理の意識を高める」内容になるという。

 かつて中国は国としてのエイズ対策が遅れていると指摘され、また同性愛が正面から扱われることもなかったが、近年になって政府がエイズ問題に本格的に取り組み始めたことを示す動きが徐々に出てきている。

 中国の衛生省は、2009年末現在の国内のHIV感染者数は約74万人と推計しているが、公式統計は感染が確認された人しか含まないため、実際の感染者はそれよりはるかに多いはずだと、専門家たちは考えている。

 国連(United Nations)は中国国内で3000万~5000万人がHIV感染のリスクにさらされている恐れがあると試算している。(c)AFP