【10月3日 AFP】紀元前3世紀初頭に建造されたとみられる円形競技場の遺跡がイタリアのオスティア(Ostia)郊外で見つかり、英国の考古学チームが2日発表した。オスティアはローマから25キロに位置する都市で、古代ローマ時代は港町として栄えた。

 総面積約1600平方メートルのこの円形競技場は、3年がかりで発掘された。サウサンプトン(Southampton)大学とケンブリッジ(Cambridge)大学の合同考古学チームが、イギリス・ローマ研究所(British School at Rome)の協力を得て発掘した。

「ここで剣闘士たちが野生動物と戦ったり、重要な会議が行われたりしたかもしれない。海に近いことから 歴史的な海戦の舞台になった可能性もある」と考古学チームのプロジェクトディレクター、サイモン・キイ(Simon Keay)氏は述べている。

 古代ローマ皇帝の代官の宮殿に隣接して建てられていることから、主に公式行事以外の目的で使用されていたのではないかと、チームはみている。「どんな目的で使用されたかを判断するには、より詳しい研究が必要だ。その結果、この港全体が当時どのような機能を果たしていたかを理解する手がかりも得られるはずだ」とキイ氏は話す。

 イタリア人考古学者のロドルフォ・ランチアニ(Rodolfo Lanciani)氏は1868年の時点ですでにこの円形競技場のおよその位置を予想していたが、その後系統的な研究が進められ、約140年後ついに発見された。(c)AFP