【10月2日 AFP】F1、フェラーリ(Ferrari)のフェリペ・マッサ(Felipe Massa)は1日、2008シーズンのシンガポールGP(Singapore Grand Prix 2008)で元ルノー(Renault)のネルソン・ピケJr.(Nelson Piquet Jr)が故意にクラッシュを起こし、フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が優勝した結果によって年間王者のタイトルを「奪われた」とし、同GPの結果を取り消すべきだと強く主張した。

 ブラジルのテレビ局グロボ(Globo)に対しマッサは「起こったことすべてが盗難だった。なのに、レースに関しては何も処分が下されておらず、結果はそのままだ。あの盗難によってチャンピオンシップの結果が変わり、僕はタイトルを逃したんだ」と語っている。

 シンガポールGPでは、15番グリッドからスタートしたアロンソが、ピケのクラッシュによるセーフティーカー導入後に優勝を飾っている。アロンソは導入前にピットインを済ませ、セーフティーカーがコースから出た時点でトップに立っていた。

 8月にチームから解雇されたピケは、ルノーの元代表フラビオ・ブリアトーレ(Flavio Briatore)氏とエンジニアリングディレクターのパット・シモンズ(Pat Symonds)氏から、クラッシュするように指示を受けたとしている。

 申し立てについて異議を唱えないことを発表したブリアトーレ氏とシモンズ氏は、両者ともにチームを去り、ルノーは執行猶予付きの資格停止処分、ブリアトーレ氏は無期限のF1追放処分を受けている。

 しかしながら、レース結果に関する変更は無く、マッサは「サッカーで審判が金を受け取り、八百長したのを知っているし、すべての疑惑の結果は無効になった。イタリア(のサッカーリーグ、セリエA)でもユベントス(Juventus)が降格している。だけどここ(F1)ではただブリアトーレを追放処分にしただけだ。僕には理解できないし、正しいとは思えない」とコメントしている。

 9月30日には2度のドライバーズタイトル獲得しているアロンソのフェラーリ加入が決まり、マッサのチームメイトになることが発表された。両ドライバーは2006年のイタリアGP(Italian Grand Prix 2006)で起きた些細な出来事から関係をこじらせており、2007年のヨーロッパGP(Europe Grand Prix 2007)では、報道関係者に聞こえるくらいの大きな声でお互いに侮辱する発言を残している。

 第10戦ハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2009)での事故からの回復を見せているマッサは1日、サンパウロ(Sao Paolo)のカート用コースでピケと手短に落ち着いた挨拶を交わしていた。(c)AFP