【7月26日 AFP】クロアチア南部のスプリト(Split)近くで24日正午(日本時間同日午後7時)過ぎ、高速旅客列車が脱線し、少なくとも6人が死亡、数十人が負傷した。

 地元メディアは事故当時約90人の乗客が乗っており、死亡者の内訳をクロアチア人3人、セルビアとスペインの二重国籍保持者2人、フランス人1人だと報じている。子ども6人を含む55人が救助されスプリトの病院に運ばれた。乗客には十数人の外国人もいたとみられる。

 事故原因は明らかになっていないが、ブレーキが故障していたようだとの複数の目撃証言がある。乗り合わせた乗客の1人は国営テレビに対し、車掌が乗客にブレーキが故障したと言ったと語った。

 首都ザグレブ(Zagreb)から南に約400キロのスプリトには世界遺産のディオクレティアヌス宮殿(Palace of Diocletian)があり、夏の人気観光スポットになっている。

 報道によれば、今回の事故現場の近くでは1966年に33人が死亡する鉄道事故が起きたほか、死者は出なかったものの2008年にも脱線事故が発生している。

 今回の事故は、ザグレブ中央駅に進入しようとした列車がコントロールを失い152人が死亡した1974年の事故の後としては最悪のものになった。事故を起こした車両は車体を傾けてカーブを高速で通過できるよう設計されていたが、地元メディアは、クロアチアの鉄道はこの技術を活用する準備が整っていないため、このような車両はほとんど使われていないという専門家の解説を伝えている。(c)AFP/Lajla Veselica