【6月10日 AFP】バーレーンを基地とする米海軍第5艦隊は9日、ソマリアの海賊が新たに紅海の南部海域をターゲットにする可能性があるとの勧告書を発表した。

 第5艦隊はまた、5-9月のモンスーン期には海賊が襲撃を容易に行えないことが予想されるため、商船はこの機会を利用すべきとの見解も示している。 

 勧告書によると、海賊は最近、夜間の襲撃を増やしていると同時に、「母船団」を形成して活動範囲をセーシェルの東側にまで拡大している。

 4月初旬には海賊による乗っ取りが急増したが、モンスーン期に突入し天候が思わしくないこともあり、海賊の襲撃はこのところ小康状態にあるという。

 米海軍によると、今年に入ってソマリア沖の商船に海賊が襲撃を行ったのは114回、うち乗っ取りに成功したのは29回。現在、アデン湾やインド洋で海賊に乗っ取られているのは14隻で、200人以上が人質にとられている。

 6日には、これまでで最長の10か月間にわたって乗っ取られていたナイジェリアのタグボートが解放されている。(c)AFP