【8月31日 AFP】2009年1月1日に欧州連合(EU)の共通通貨ユーロ(Euro)を導入するスロバキアで1つの問題が持ち上がっている。

 同国では、消費者にユーロに慣れてもらうため、自国通貨スロバキア・コルナ(koruna)とユーロの両方で価格を表示することになっている。従業員5人未満の小規模な商店では1ユーロ=30.1260コルナの換算レートを掲示すればよいことになっているが、「夜遅くまで値札を手で書かないといけない。お客さんもほとんど関心をもっていないようだ」(首都ブラチスラバ(Bratislava)のコンビニ店主)と評判はいまひとつだ。さらに、ブラチスラバでのサンプル調査の結果、全体の半数近く、サービス業では実に87%が両通貨での価格表示という規則を守っていないことが25日に明らかになった。

 ロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相が率いる政府は7月から、主にテレビCMを通して大規模な広報キャンペーンを展開しているが、8月に発表された世論調査によると、国民の33%がユーロ導入による物価上昇に懸念を持っていることが明らかになった。政府はユーロ導入時の悪質な便乗値上げには断固たる姿勢で臨む方針で、前年の平均賃金月額が約2万スロバキア・コルナ(約11万円)だった同国にあって、違反した場合には500万スロバキア・コルナ(約2700万円)の罰金や名称の公表などを課す法律を成立させている。(c)AFP