【8月4日 AFP】実際には存在しない北京五輪のチケットを販売する大規模な国際詐欺の被害が明るみに出ている。

 4日のシドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)紙によると、ブリスベン(Brisbane)在住の男性は4万6000豪ドル(約465万円)を支払ったがチケットは届かず、シドニー在住の男性は同じ手口で1万豪ドル(約101万円)をだまし取られたという。
 
 北京五輪の開幕式を数日後に控え、オーストラリア当局は多くの国民が、この手の込んだ国際規模の詐欺行為による被害を受けたとみている。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州では4日、いまだに運営を続けている「beijingticketing.com」など米国に拠点を置くウェブサイトなどでの五輪チケット購入に関する苦情を受け付けるホットラインを開設した。開始後わずか数時間で22件の相談が寄せられ、総額6万ドル(約605万円)相当のチケットが未着であることが分かった。
 
 同州の公正取引担当相のリンダ・バーニー(Linda Burney)氏は、ホットラインに寄せられた情報を豪州当局および国際捜査機関に提供するとしている。
 
 シドニー・モーニング・ヘラルド紙の報道によると、国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)には「beijingticketing.com」に関する苦情が世界各地から殺到しており、同委員会は4日、米サンフランシスコの裁判所に同サイトの閉鎖を命じるよう要請するという。(c)AFP