【5月27日 AFP】ロシア軍戦闘機が4月20日にグルジアの無人偵察機を撃墜したとされる事件で、グルジアでアブハジア(Abkhazia)紛争の停戦監視にあたっている国連グルジア監視団(UNOMIG)は26日、撃墜したのはロシア軍戦闘機だったとする報告書を公表した。ロシア軍機が領空侵犯したと主張するグルジア政府の主張を支持する形となった。

 UNOMIGのウェブサイトに掲載された報告書によると、UNOMIGは収集した証拠から「航空機はロシア空軍に所属する」とし、撃墜は暫定停戦の合意に「基本的に反する」とまとめた。

 一方、ロシア国防省はこの報告書を否定。Alexander Drobyshevsky報道官はAFPに対し、「わが軍の航空機はいかなる国の領空も侵犯しておらず、したがって撃墜も不可能」との見解を述べた。

 グルジア軍とグルジアからの分離独立を主張しロシアが支援するアブハジア共和国の反政府勢力との武力衝突は、1993年に暫定停戦に合意したが、無人偵察機の撃墜はそれ以降にこの地域で起きた最も深刻な事件となった。

 グルジアのミハイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)大統領はテレビ演説で、UNOMIGの報告書は、ロシア軍が国家主権を侵害したとするグルジア政府の主張の正当性を立証したと表明した。(c)AFP/Michael Mainville