【3月15日 AFP】トニー・ブレア(Tony Blair)前英首相は14日、千葉県幕張(Makuhari)で開催されている京都議定書(Kyoto Protocol)以後の温暖化対策を話し合う閣僚級会合(G20)で基調講演を行い、地球温暖化対策の不履行は「許されざる無責任」として、米国や中国など世界最大の二酸化炭素排出国に対し拘束力のある排出削減に合意するよう求めた。

 昨年英首相を辞任したブレア氏は現在、専門家の一団を率い、京都議定書以降の次期枠組みの来年中の制定を目指して、難航する交渉の打開に向け意見調整を行っている。

 演説の中でブレア氏は「今年北海道(Hokkaido)で開催される主要国首脳会議(G8)が、この問題を左右するだろう」との見方を示した。

 また「最低50%の排出量削減という拘束力のある目標値に合意できるか」「次期枠組みに合意できるか」と問いかけた。

 ブレア氏は、先進国・途上国共に地球温暖化対策を進める必要性についても言及し、温暖化ガス排出の大幅削減の実現に向けて「先進国では排出をゼロ近くまで削減し、途上国では産業化しつつも長期的な削減が求められる」と述べた。

 16日のG20閉幕後に訪問する中国とインドについては「両国は問題の難しさを理解している。共に削減取り組みへの参加を望んでいるが、経済発展は急務となっている」との認識を示す一方、欧米と日本については、「変革が求められているとは理解しているが、それにともなうコストと競争力低下を懸念している」と語った。

 さらにエネルギー効率について「排出削減の手段としてあまり効果的でないという誤った認識をされることが多かったが、今後は世界規模の対策の中心に据えることが必要となるだろう」と指摘した。(c)AFP/Kyoko Hasegawa