【2月12日 AFP】2005年9月にデンマークの日刊紙ユランズ・ポステン(Jyllands-Posten)に掲載されたイスラム教預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺漫画をめぐり、同国東部オーフス(Aarhus)で12日、問題の漫画を描いた作家の1人を殺害しようとした容疑者らが逮捕された。

 同国の情報機関PETは声明の中で、「長期にわたる監視の結果、地元警察との協力により容疑者を逮捕し、テロリズムとつながりのある殺害計画を阻止した」としながらも、逮捕者の人数、氏名、国籍、殺害計画のターゲットとされた漫画家の氏名などは明らかにしなかった。

 国営ラジオの報道は、逮捕者は5人でうち3人がデンマーク国籍、いずれもイスラム系としている。

 一方、風刺漫画を掲載したユランズ・ポステンは電子版で、ターゲットとなった漫画家をクルト・ヴェスタゴー(Kurt Westergaard)氏(73)と報じている。

 ヴェスタゴー氏は、一連の風刺漫画の中でも特に物議を醸した作品を描いた人物。預言者ムハンマドの頭部に巻かれたターバンを、あたかも導火線に火のついた爆弾のように描いた。

 ユランズ紙によれば、ヴェスタゴー氏とその妻は殺害脅迫を受けて以来、この3か月間は警察の厳重な保護下に置かれ、住居を転々としていた。同紙は殺害脅迫は本物で、容疑者にはデンマーク人と外国人が含まれるとしている。(c)AFP