【1月18日 AFP】ブルガリア、ロシア両政府は18日、欧州向けにロシア産天然ガスを輸送するパイプラインの建設協定に合意した。ブルガリアのセルゲイ・スタニシェフ(Sergei Stanishev)首相が同日、首都ソフィア(Sofia)の記者会見で明らかにした。

 両政府はこのほか、数十億ドル規模の各種エネルギー分野の協定にも合意。調印式には、2日間の日程でブルガリアを訪問中のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領も出席する。

 建設予定のパイプラインは、黒海を横断してブルガリア領内を通過後、オーストリア方面に向かう北西ルートとギリシャ・イタリア方面に向かう南方ルートに枝分かれする。天然ガスの年間輸送能力は300億立方メートル。

 ロシアと欧州連合(EU)はパイプライン建設競争を展開。エネルギー分野で影響力を強めるロシアに対抗して、EUも独自パイプラインの建設を計画している。EU側のパイプライン建設計画はロシア領を迂回するルートで、カスピ海沿岸を経由して中央アジアの天然ガスを欧州に輸送し、ロシア産天然ガスへの依存度低下を狙う。

 建設ルート上の戦略的な位置にあるブルガリアは、パイプラインのもたらす莫大な天然ガス輸送料収入の獲得を目指すべく、EU・ロシア双方のパイプライン計画に参画する動きを見せていた。(c)AFP