【7月25日 AFP】NBAのコミッショナーを務めるデビッド・スターン(David Stern)氏は24日、元審判員のティム・ドナフィ(Tim Donaghy)氏が行ったとされる試合の不正工作について記者会見を行った。

 この問題は、元審判員が審判を務める試合などで賭博を行い、別の賭博者に情報を流していた疑いがあるとして連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)が調査に乗り出していた。

 会見でスターンコミッショナーは、不正工作について「NBA史上最も最悪な出来事だ。我々は実力で試合の勝敗が決することをファンに知らせるために最善の努力をしなければならない。この問題で離れたファンの信頼を取り戻すことが重要だ。現在の見解では、この問題は孤立していると感じている。ドナフィは今回の不正工作で試合を利用した賭博を行い、別の人間に情報を流していた唯一の人間だ。我々はファンに対して説明する義務がある。この問題については、可能な限り自分たちで調査することも必要だと感じている」と語り、元審判員個人の単独行動であることを強調した。

 また、元審判員がどんな証拠を持っていたのか?との質問を受けると「彼の弁護士から裁判での弁解を熟考していると知らされた。この疑惑を聞いて以来、我々は被害者意識を持っている。これはスポーツにおける信用を裏切る行為以外の何ものでもない」と怒りを交えながらに語った。

 不正工作疑惑を受けて元審判員が受けている調査の対象は、2005-06シーズンと2006-07シーズンの最近2年間となっている。2007年7月上旬にリーグを辞任した同審判員は、13シーズンのキャリアを持っており、調査対象となっている2シーズンではレギュラーシーズン139試合とプレーオフ8試合、開幕前のプレシーズンマッチ4試合で審判を務めている。

 調査状況について同コミッショナーは「彼はNBAで賭博を行ったこととその情報を流したことで起訴されるだろう。しかし、我々は彼自身が審判を務めた試合だけが捜査の対象になっているかどうか確認はしていない」と語った。(c)AFP