【ポルトープランス/ハイチ 8日 AFP】カリブ海の英領タークスカイコス(Turks and Caicos)諸島沖で、4日起きたボートの転覆事故による犠牲者は54人に上ることが明らかになった。

■サメにより犠牲者増大か

 ハイチの駐バハマ大使が7日、当初発表の2倍に上る54人の遺体が収容されたとAFP記者に語った。転覆現場となったプロビデンシアル(Providenciales)島沖はサメが多く生息していることから、犠牲者が増えたとみられる。

 事故当時、ボートには約150人が乗っていたとみられ、これまでに78人が米沿岸警備隊に救助されたという。同警備隊によると、ボートは上陸を試みて転覆した模様。

■今年1月からすでに900人を保護

 中南米でも最貧国に属するハイチでは、米国への亡命を夢見て、壊れかけたボートで荒海にくり出す人々が後を絶たない。

 米沿岸警備隊は、2007年1月からの4か月間ですでに密航者900人を摘発。その多くが定員超過のボートで危険な航海を試みていた。同警備隊は、ハイチ、キューバ、ドミニカ共和国などから米国への亡命を試みて、2001年から約400人が犠牲になったと推定している。

 写真はポルトープランス(Port-Au-Prince)で、漁を終えて帰港する漁船(2004年3月9日撮影)。(c)AFP/Yuri CORTEZ