【カノ 5日 AFP】ナイジェリアのカノ(Kano)州で宗派を問わず公・私立校の全生徒にイスラム式の服装を義務付けることになった。国内初の試みだという。カノ州のイブラヒム・シェカラウ(Ibrahim Shekarau)知事は「生徒の品行や生活態度をより良いものにしようという指針に沿ったもの。州内の各私立学校もこれに賛同すると考えている」と述べているが、罰則については詳しく触れていない。

■2003年より公立校で実施、今度は私立校にも

 シャリア(イスラム法)の徹底をうたったシェカラウ氏が知事に当選した2003年以来、カノ州の公立学校では全生徒にイスラム式の服装が義務付けられてきた。女子生徒はカフタン(前開き形式のゆったりとした長袖の上着)とズボンまたはロングスカート、そしてベールの着用、男子生徒にはカフタンにズボン、帽子の着用が義務付けられた。この服装規定が、私立学校にも適用される。

 イスラム教徒が圧倒的に多いとされるナイジェリア北部の中で、カノ州の人口は最大。統計では人口の90~95%がイスラム教徒とされている。

■キリスト教徒の生徒にも義務付け

 カノ州では、公立学校の教育レベルの低さを懸念して私立学校へ子どもを進学させる親も多い。州内に2000校以上ある私立学校の大半はイスラム教系、もしくはイスラム、キリスト教両方の生徒を抱える。キリスト教系だけの学校は少数派だ。イスラム教徒のムスタファ・イブラヒム(Mustapha Ibrahim)氏は、両方の生徒を擁する学校を運営している。同氏は今回の新たな規則に関して、教育相からの正式な通達を待っている。「現在、州内の学校は休みの時期。休みが明ければすぐに他校と話し合いができるだろう。もしも服装に関するこの規則を守るようにとの通達が政府からあれば、我々はそれに従うしかない。そうでないと、処罰され、閉校に追いやられるかもしれない」

 徹底にはばらつきがあるももの、ナイジェリア北部ではカノ州の他にも11の州でシャリアが適用されている。しかし、キリスト教の生徒にはイスラム式の服装が義務付けられていない。 写真は、カノ州の投票所に並ぶイスラム式服装の女性たち(2007年4月21日撮影)。(c)AFP/SEYLLOU DIALLO