【モガディシオ/ソマリア 22日 AFP】首都モガディシオ(Mogadishu)南部で21日、ソマリア暫定政府の支援のためエチオピア軍が駐屯する元国防省ビルを反政府武装勢力が襲撃した。襲撃により兵士6人を含む少なくとも14人が死亡した。

 首都を含むソマリア中南部の大半を掌握していた反政府勢力「イスラム法廷連合(Union of Islamic Courts、UIC)」が1月にソマリア暫定政府とエチオピアの合同部隊によって制圧されて以来、イスラム法廷連合とその支援勢力はゲリラ戦を展開しているが、今回の戦闘はその中でも最大規模のものとなった。

 目撃した住民によると、数百人の群衆が「ソマリア軍もエチオピア軍も死ぬ運命だ」「両軍ともいなくなってしまえ」「お前たちを生きたまま焼いてやる」などと叫びながら兵士2人の遺体に火をつけ、別の兵士1人の遺体を引き回した。これらの遺体がソマリア兵かエチオピア兵かは不明という。

 また、AFPの特派員が目撃したところによると、なたを手にした女性が、エチオピア軍とソマリア暫定政府軍に対して罵声を浴びせながら、引き回された遺体を踏みつけた。

 こうした光景は、1993年にソマリアに介入した米軍が作戦に失敗し、米兵の遺体が群衆に引きずり回された光景をほうふつとさせるものであった。

 今回の戦闘の巻き添えになって死亡した市民8人のうち3人は、迫撃砲が民家に着弾したことによるという。

 モガディシオ最大の病院の関係者は、「これまでに負傷者が60人以上運ばれてきた。非常に厳しい状態にある」と語った。

 写真はモガディシオで21日、戦闘で殺害されたソマリア兵の周りに群がる住民。(c)AFP/Mustafa Abdi