【テグシガルパ/ホンジュラス 1日 AFP】キューバ政府は1日、病気療養中のフィデル・カストロ(Fidel Castro)国家評議会議長(80)が「すでに死亡したのではないか」とする米国の見解を否定。回復ぶりは良好で、遠からず政権復帰も期待できるとの見方を示した。

 ホンジュラスの首都テグシガルパ(Tegucigalpa)を訪れたフェリペ・ラモン・ペレス・ロケ(Felipe Ramon Perez Roque)外相が、「体重も増え、だいぶ力を取り戻した。じきに完治して仕事に復帰すると、われわれは非常に楽観的に考えている」と述べた。

 カストロ議長は前年7月末に腸の手術を受けた後、実弟のラウル・カストロ(Raul Castro)第1副議長(75)に一時的に国家元首の権限を委譲した。

 2月27日、盟友であるベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領のラジオ番組、「こんにちは大統領(Alo Presidente)」に電話をかけ、手術後初となるメディア生出演を果たした。

 30分ほどの会話の中で、カストロ議長は「戦争勃発の恐れ、気候変動、食糧供給問題など」について最新情報を把握していると話し、「順調に回復している。気力と活力を感じており、勉強の時間も増えた」と語った。

 ただし、政権復帰を直接うかがわせる発言はなかった。

 番組は同日夕方、キューバでも放送され、翌28日の共産党機関紙グランマ(Granma)に全会話内容が掲載された。

 キューバ政府は1月30日、首都ハバナ(Havana)を訪問したチャベス大統領とカストロ議長が会話する映像を公開、議長の順調な回復ぶりをアピールしていた。

 「仕事の虫」として知られるカストロ議長だが、キューバの動静を見守る各勢力の中には、たとえ復帰しても過去50年間に見せてきたような強権体制を維持することは困難との見方もある。

 写真は2006年7月26日、政治集会に参加するカスト議長。(c)AFP PHOTO/Adalberto ROQUE