【ロサンゼルス/米国 24日 AFP】これまで日本では、ほとんど無名に近かった女優、菊地凛子(Rinko Kikuchi)が映画「バベル(Babel)」への出演を機に、ゴールデン・グローブ賞(Golden Golbe Awards)などの有名賞にノミネートされ、ついに第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)助演女優賞候補に名前が挙がり、一躍脚光を浴びている。

■「とても光栄」

 菊地が聴覚障害の少女を演じたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)監督の映画「バベル」は、作品賞を含む7部門にノミネートされた。菊地はシャネル(Chanel)のファッションショーに出席するため訪問中のパリで朗報を受け、「とても光栄。パリで素晴らしい知らせを受けることができて感動している。両親に良いプレゼントになる」と喜びをあらわにした。これまでの出演歴は主に低予算の国内映画だった彼女の快挙を、テレビ番組やスポーツ各紙がこぞって報道。日刊スポーツも「日本では無名だった菊地のシンデレラストーリーは、2月25日に1つの結末を迎える」と伝えた。

■49年ぶり2人目の快挙

 助演女優賞にはこのほか同作品に出演したメキシコ人のAdriana Barrazaをなど4人がノミネートされている。アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた日本人女優は1958年に「サヨナラ(Sayonara)」で同賞を受賞したナンシー梅木以来2人目。アカデミー賞にノミネートされた日本人は男女両方を合わせても、これでまだ5人目である。

 2003年には渡辺謙(Ken Watanabe)が「ラストサムライ(The Last Samurai)」で助演男優賞にノミネートされたが、「硫黄島からの手紙(Letters from Iwo Jima)」ではノミネートを逃している。クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督が手がけた同作品は、作品賞を含む4部門でノミネートされた。

 授賞式は2月25日、カリフォルニア州ロサンゼルス(Los Angeles)のコダック・シアター(Kodak Theater)で行われる。写真は米国映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)が公開した菊地の宣材写真。(c)AFP/HO/A.M.P.A.S.