【スバ/フィジー 4日 AFP】12月5日の無血クーデター以降、実権を握ってきたバイニマラマ(Voreqe Bainimarama)軍司令官は4日、首都スバ(Suva)で記者会見を開き、ジョセファ・イロイロ(Josefa Iloilo)大統領に行政権を返還することを明らかにした。ただし、自らは5日にも新たに暫定首相に就任し、現在の権限を維持するものと見られる。

 バイニマラマ軍司令官は記者会見の席で、イロイロ大統領が復帰すること、ジョナ・セニラガカリ(Jona Senilagakali)暫定首相が4日早朝に退任したことを発表。新政権発足を加速させるのが狙いと見られる。司令官は、「イロイロ大統領に政権を引き渡す。フィジーに神のご加護を」と述べ、国民と国際社会に対し、新政権発足後の支援を訴えた。

 発表を受けたイロイロ大統領は、クーデター後初の国民に対する公式声明として、「国民と憲法のために闘った軍司令官の行動(クーデター)を支持する」と述べ、「今後も軍に対する責任は追及しない」と語った。

 大統領はまた、迅速に次期政権を発足し、総選挙を実施することを表明したが、「政治的、経済的状況が落ち着いた時点で」という条件を加えるのは忘れなかった。

 写真はスバで、兵士に付き添われてBarron Houseを後にするイロイロ大統領(2000年7月18日撮影)。(c)AFP/Naashon Zalk