グーグルマップに「西フィリピン海」の表示
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【4月15日 AFP】米IT大手グーグルの地図アプリ「グーグルマップ」で14日、フィリピン西方の海域に「西フィリピン海(West Philippine Sea)」と表示されるようになった。
この海域は南シナ海に位置し、領有権をめぐる係争が続いているが、フィリピン政府は「西フィリピン海」という呼称の使用を推奨している。
以前の検索結果をスクリーンショットで保存していたAFPの記者らによれば、これまでは「西フィリピン海」と検索しない限り、この名称は表示されなかった。
現在も「南シナ海」の名称は、今回「西フィリピン海」として特定された地域の北および西側に表示されている。
国際的な裁定で根拠がないと指摘されているにもかかわらず、中国は南シナ海のほぼ全域を自国の領土と主張。
フィリピンがこの海域に接近するのを阻止するため、海軍や沿岸警備隊を展開しており、両国間でたびたび衝突が発生している。
フィリピン軍のフランセル・マーガレット・パディリャ報道官は14日の声明で、「グーグルマップに『西フィリピン海』が含まれたことを歓迎する」と述べ、「(軍は)国家主権の守り手として、これを真実の表現であり、公共の認識に対する貴重な貢献と見なしている」と強調した。
2012年4月、当時のベニグノ・アキノ大統領は、南シナ海のスカボロー礁をめぐって中国との対立が激化する中、この海域の呼称変更を命じていた。
AFPの問い合わせに対し、グーグルの広報担当者は「西フィリピン海は以前からグーグルマップに表示されていたが、最近追加されたズームレベルで見やすくなった」と説明。ただし、変更の理由については明らかにしなかった。
フィリピン外務省および在フィリピン中国大使館からの返答は、現時点では得られていない。(c)AFP