【4月13日 CGTN Japanese】中国台湾の人気歌手Tank(本名:呂建忠)は7日、中国のSNS微博(ウェイボー)に投稿し、中国東部の都市、杭州にある浙江大学医学院付属第二病院(以下、浙大二院)で最近心肝同時移植手術を受け、同日回復して退院したことを明らかにしました。

 Tankが受けた手術は、家族性肥大型心筋症と肝機能不全を併発した患者に対する心肝同時移植手術として、アジア初のものです。手術は非常に難易度が高く、周術期管理(手術前から入院、手術、術後回復までの期間にわたり進められる管理)が複雑で、多学科の高度な連携が必要であり、これを実施できるのは世界でも数少ない医学センターだけです。

 Tankは2006年にリリースしたファーストアルバム『FIGHTING/生きる道』が10万枚の売り上げを記録して、大ブレイクしました。しかし2007年、ステージ上で突然失神し、家族の遺伝性心臓病という残酷な事実が明らかになりました。

 Tankは2024年3月末、浙大二院を初めて訪れましたが、この時点で体調は非常に悪化していました。複雑な病状と病歴に対して、有名な肝胆膵臓(すいぞう)外科専門家の王偉林氏は、移植センター、総合ICU、麻酔手術部、内科・外科など一般診療科、放射線科、超音波科などの専門家を集めて多学科で検討した結果、彼の命を救うためには「心肝同時移植」手術しか方法がないとの結論に達しました。

 手術は2024年11月21日、浙大二院で実施され、12時間続きました。期間中に医療チームは、人工肺とポンプを用いた体外循環(エクモ、ECMO)技術を駆使し、出血リスクと血栓リスクの双方を考慮して精密な抗凝固管理やリアルタイムの体温調節をおこない、改良された肝移植術を巧みに運用し、心臓移植後の迅速な肝臓移植への移行を可能にし、全身血流循環と移植臓器への影響を最小限に抑えました。最終的にTankは健康な心臓と肝臓の移植に成功しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News