【4月10日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は9日、シャワーヘッドの水圧制限を緩和する大統領令に署名した。ホワイトハウスはこの措置を「米国のシャワーを再び偉大にする」ものだと主張している。

トランプ氏は大統領執務室で署名後、記者団に対し「私はシャワーを浴びるのが好きだし、この美しい髪をケアするのも大切だ」と述べた上で、「なのに、髪が濡れるまで15分も水の下に立たないといけない。水がぽたぽたしか出ない。ばかげている」と不満を漏らした。

現在、米エネルギー省はシャワーヘッドの水量を1分あたり最大2.5ガロン(約9.5リットル)に制限している。今回の大統領令は、同省に対しこうした「過剰な環境規制」を見直すよう命じている。

ホワイトハウスは、「過度な規制から米国民を解放する」ための措置であり、オバマ元大統領とバイデン前大統領が推進してきた「シャワー戦争」に終止符を打つものだと強調した。

トランプ氏は1期目から、シャワーヘッドやトイレ、食器洗い機など家庭用設備の水圧基準をたびたび批判してきた。

2020年にはホワイトハウス前で、「皆さんは知らないだろうが、私の髪形は完璧でなければならないんだ」と語っていた。また2024年6月にはデトロイトの演説で、「シャワー中にこの美しい髪がきちんと泡立ってほしいのに、水がちょろちょろしか出ず、洗い流せない。我慢ならない」と強調していた。

一方、家電製品の効率基準を推進しているNGO「ASAP(Appliance Standards Awareness Project)」は、水圧制限は消費者の水道光熱費を節約し、環境保護にも貢献していると反論。

同団体は2024年の報告で、「現在のシャワーヘッドの仕様は、性能面でも非常に優れており、何度ものテストでその有効性が確認されている」と指摘している。(c)AFP