【4月9日 東方新報】中国航空工業集団・成都飛機工業集団(以下、「中国航空工業集団成飛」)は8日、清華大学(Tsinghua University)と共同で開発した水素エネルギー無人機が、昼夜をまたぐ30時間の連続飛行に成功したと発表した。これは同種の無人機としては国内最長記録を塗り替えるもので、航続能力は国際的にも最先端の水準に達しているという。

 今回の飛行で使用された50キロ級の水素エネルギー無人機は、水素燃料電池の出力特性に基づく「動力・飛行制御一体型設計技術」を突破したほか、離陸時には自律走行する無人車によって機体を発進させる方式を初めて採用した。この「無人車+無人機」による複合型無人システムは、非標準の滑走路条件での利用を想定した実証にも成功している。

 中国航空工業集団成飛は、航空産業の構造転換という戦略的な機会を捉え、技術革新を軸に航空産業体系の発展を推進しており、特に水素航空分野への積極的な取り組みを進めている。再生可能エネルギーを活用した新型航空機の開発を通じて、グリーンで低炭素な航空社会の実現を目指し、先端技術のブレイクスルーによって未来産業の基盤づくりに貢献していくとしている。

 なお、この無人機には光電センサー(光学・赤外線観測機器)が搭載されており、地上の監視・巡回が可能だった。また、5G対応の通信モジュールと公共ネットワークを用いて、テレメトリーデータや観測画像をリアルタイムで遠隔地のプラットフォームへ送信し、遠隔かつ動的な監視も実現している。これにより、水素無人機による低空域経済の応用場面が広がり、グリーン航空と新しい産業モデルの構築に向けて重要な役割を果たすものと期待されている。(c)東方新報/AFPBB News