抗議集会を扇動、クーデター未遂で起訴の前大統領 ブラジル
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【4月7日 AFP】ブラジル・サンパウロで6日、ジャイル・ボルソナロ前大統領が2022年の大統領選敗北後にクーデターを企てたとして起訴されたことに抗議する大規模デモが行われ、数万人が集結した。デモにはボルソナロ被告も参加した。
極右指導者として知られるボルソナロ被告は、ブラジル最高裁の判事らが自らを政治的に迫害していると非難し、「彼らが本当に望んでいるのは私を投獄することではない、私を殺すことだ。私は彼らの喉に刺さった棘なのだ」と強い言葉で訴えた。
サンパウロ大学の推計によると、金融街の中心地パウリスタ通りには約4万5000人が集まり、多くの参加者がボルソナロ被告の支持者によく見られるブラジル代表のサッカーユニフォームを着用していた。
会場周辺では、ボルソナロ被告が敬愛してやまないドナルド・トランプ米大統領のマスクや聖書、イスラエルや米国の国旗を売る露店商の姿も目立った。
ボルソナロ被告の主な要求は、2023年1月8日に首都ブラジリアで大統領府や国会、最高裁に乱入し、有罪判決を受けた支持者らへの恩赦だ。暴徒化した支持者たちは当時、僅差でボルソナロ候補(当時)に勝利し同月就任したルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領を追放するよう軍に求めていた。
ブラジル最高裁は先月、選挙後のクーデター計画に関する審理開始を決定。ボルソナロ被告にとっては、ドナルド・トランプ氏のような「政権復帰」を目指す構想が打ち砕かれる可能性もある。武力による政権奪取を試みた元指導者が裁判にかけられるのは、ブラジルが20年にわたる軍事独裁を経て1985年に民主主義へと移行して以来、初めてのこととなる。(c)AFP