【4月1日 AFP】米軍で女性の戦闘任務への参加に反対を表明してきたピート・ヘグセス国防長官が、前線部隊に性別を問わない体力基準を策定するよう軍に命じた。3月31日に公開された覚書で明らかになった。

ヘグセス長官は3月30日付の覚書で「各軍の長官に対し、戦闘職と非戦闘職を明確に区別する包括的な計画を策定するよう指示している」と記した。

また「戦闘を担うすべての任務における入隊時および継続的な体力要件は、性別に関係なく、その任務の運用上の必要性、およびあらゆる敵に対処するために必要な即応性にのみ基づいて設定されなければならない」とし、現行の基準が緩和されることは一切ないとも明記されている。

体力基準の変更は、入隊の勧誘に悪影響を及ぼす可能性があるだけでなく、すでに軍に所属している人員の維持にも支障をきたす恐れがある。

だが、性別に関係なく同一基準を課すことにより、長距離の行軍や重い武器・装備の運搬といった、現場で求められる厳しい身体的任務に対応する上で、全戦闘要員が同じ最低基準を満たすことが保証される面がある。

ヘグセス氏は国防長官に指名される前に放送されたポッドキャスト番組で、女性が戦闘任務に就くことには反対だが、軍全体における女性の存在には反対していないと述べていた。

しかし今年、上院の承認公聴会では自身のその発言から距離を置く姿勢を見せ、「女性は基準が高水準に保たれる限りにおいて、地上戦闘任務に就くことができる」との考えを述べていた。

ヘグセス氏は、企業や大学、軍隊において民族的および性的少数派の機会を増やそうとする、いわゆる「ウォーク(目覚めている、の意。社会問題や人種差別、性差別などへの意識が高いことを示す)」政策を頻繁に批判しており、国防長官としても、そうした政策に反対する動きを展開している。(c)AFP