【3月28日 Xinhua News】中国海南省瓊海(けいかい)市博鰲(ボアオ)鎮で開催中のボアオ・アジアフォーラム2025年年次総会で26日、中国と日本の著名な政財界の関係者らによる「中日企業家対話会」が開かれた。両国の経済発展や貿易協力の新たなチャンスなどのテーマを巡り、率直な意見交換を行い、相互理解を深め、地域協力と中日関係の発展に向けた積極的な交流を図った。

 ボアオ・アジアフォーラム諮問委員会主席を務める日本の福田康夫元首相は対話会に寄せた書面メッセージで、世界の経済が分断され、産業チェーン・サプライチェーン(供給網)が寸断され、発展を支えてきた国際分業が危機に瀕している今こそ、世界の低迷を阻止するためには政府の努力や民間の協力強化が必要であり、日本と中国は共に行動する時を迎えていると呼びかけた。

 張軍(ちょう・ぐん)ボアオ・アジアフォーラム事務局長はあいさつで、主要な経済国である中国と日本は、世界の貿易、投資、産業チェーン・サプライチェーンにおいて重要な役割を果たしており、双方には協力を強化し、共通の利益を守る理由があると指摘。先日東京で行われた第6回中日経済ハイレベル対話は両国のビジネス界の協力に方向を指し示したとし、双方が今後、開放型経済の構築、グローバルな産業チェーン・サプライチェーンの共同維持、アジア太平洋地域の統合促進などを入り口として、両国の経済発展のさらなる可能性を切り開くことに期待を示した。

 対話会に出席した日本の宮本雄二元駐中国大使は、自由貿易と多国間主義に基づく国際秩序を守ることは日本と中国の共通の利益であり、両国は力を合わせなければならないと指摘。そのための枠組みである地域的な包括的経済連携(RCEP)協定や中日韓自由貿易協定(FTA)を進め、双方の協力の可能性をさらに引き出すことが重要だと述べた。

 中日友好協会の程永華(てい・えいか)常務副会長は総括演説を行い、次の四つを提案した。①中日双方が両国の指導者が示した方向に従い、相互信頼を高め、協力を深め、意見の相違を管理し、2国間関係の健全で安定した発展を促進する。②双方がそれぞれの強みで補い合い、科学技術革新、デジタル経済、グリーン(環境配慮型)発展、第三国市場、医療・ヘルスケアなどの分野で新たな協力を探る。③人的・文化交流や地方・若者交流を強化し、両国関係の民意の基盤を強固にする。④双方がマクロ経済政策の協調を強化し、貿易・投資の自由化とアジア太平洋地域の経済統合を一層推進し、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの安定と円滑を共同で守る。

 中日企業家対話会は、ボアオ・アジアフォーラム年次総会の重要な活動の一つで、両国の企業家に交流プラットフォームを提供し、中日関係のさらなる発展を促すことを目的に開かれている。(c)Xinhua News/AFPBB News