韓国・大規模山火事7日目…専門家「症状なくても病院に」呼吸器疾患リスク警告
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【03月27日 KOREA WAVE】韓国南部・慶尚南道山清で発生した大規模山火事が7日目に突入し、政府は山火事警報を最高レベルの「深刻」段階に引き上げ、全国に拡大した。多数の人的被害が出ており、周辺住民にはマスク着用の徹底と、目立った症状がなくても医療機関で診察を受けるよう呼びかけられている。
中央災難安全対策本部と山林庁によると、27日午前9時時点で山火事による死者は計18人に達した。なお、この数字には、消火活動中に墜落したヘリコプターの操縦士1人の死亡は含まれておらず、人的被害はさらに広がっている。
避難者は2万7079人に達し、住宅や工場など209棟が焼失。消火率は、山清で90%、蔚山・温陽で98%に達している。慶尚北道・義城や安平では66~68%にとどまっている。
山火事による煙には一酸化炭素や二酸化炭素に加え、呼吸器・心血管系に悪影響を与える微小粒子が含まれている。これらの有害物質はウイルスのように免疫反応を起こさず、肺の奥深くまで侵入して炎症を引き起こす可能性がある。
医療関係者は、煙を吸い込んだことで健康被害が生じるリスクがあるとして、たとえ症状がなくても医療機関で相談すべきだと強調している。
カトリック医科大学のペク・スニョン名誉教授は「呼吸器が煙にさらされるのは極めて危険で、呼吸困難を引き起こす場合がある。木材だけでなく塗料などの化学物質が燃えれば、短時間で致死量に達する有毒ガスが発生し、後遺症につながるおそれがある」と指摘した。
また「目に見える外傷がなくても、煙にさらされればアレルギー反応などが出る可能性がある。煙が充満していた場所にいた場合、救急外来を訪れるのが望ましい」と助言した。
山火事による煙を吸った場合、咳、呼吸困難、頭痛、目の炎症などが現れることがあり、とくに子ども、妊婦、高齢者は免疫力が低下し感染症にかかりやすくなるため、健康管理への注意が必要だ。
嘉泉大学キル病院のオム・ジュンシク感染内科教授は「火災後には清潔な水源の確保が感染症流行の防止につながる。避難所では多数の被災者が集まって生活するため、呼吸器感染症の予防措置が特に重要だ」と強調した。
専門家らはまた、煙による健康被害を防ぐため、屋内の換気口や窓枠をこまめに清掃し、煙が視認できるほどの場合は濡れたタオルなどで通気口をふさぐよう勧めている。日常的にマスクを着用すること、コンタクトレンズではなく眼鏡の使用を推奨する声も上がっている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News