ウズムシが宇宙の旅へ 中国の宇宙ステーションが新しい住民を迎える
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【3月28日 CGTN Japanese】中国科学院宇宙応用工程技術センターによると、中国の宇宙ステーションは近いうちに、宇宙科学実験に参加する新しい住民として「ウズムシ(プラナリア)」を迎える予定だということです。
ウズムシは強大な再生力を持つ扁形動物であり、すでに5億2000万年以上の歴史があります。最強の再生力を持つウズムシは両断されても、新しい筋肉や肌、腸、さらには完全な脳を無限に再生することができます。そのため、ウズムシの研究は人間の細胞の老化を克服したり、老化を遅らせたりする上で非常に重要な意義があるとみられています。
中国の宇宙ステーションは「生命生態実験キャビネット」の「小型汎用生物培養モジュール」を使って、宇宙環境がウズムシの再生のありさまや生理的行為に与える具体的な影響について研究し、人々の再生メカニズムに対する理解を深める予定です。
実はウズムシに先だって、ゼブラフィッシュとショウジョウバエがすでに中国の宇宙ステーションでの科学実験に参加しています。ゼブラフィッシュは小型の熱帯淡水魚で、そのゲノムは人間のゲノムと7割以上の類似性を持っていることから、生命科学、健康科学、環境科学の研究における重要なモデル動物とされています。中国の有人宇宙飛行船「神舟18号」は2024年4月、4匹のゼブラフィッシュと4グラムのマツモを搭載して中国の宇宙ステーションに運び込み、軌道上での科学実験が行われました。科学者はゼブラフィッシュを通して、微小重力が脊椎動物の筋肉や骨格のタンパク質に及ぼす影響などを研究しています。
一方、人類がショウジョウバエに対する研究は100年余りの歴史があります。中国の宇宙貨物船「天舟8号」は2024年11月、ショウジョウバエを中国の宇宙ステーションに運び込みました。宇宙空間での科学実験により、科学者は微小重力や微小磁場環境下でのショウジョウバエの発育成長、運動特性、バイオリズムを研究し、地上環境との比較を通じて、宇宙環境が生物に及ぼす影響を解明することで、人類が将来、月や火星などを探索する際の理論的根拠を提供すると期待されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News