【3月26日 AFP】チューインガムをかむと、口の中に多数のマイクロプラスチックが直接放出されるとする査読前の論文が25日、発表された。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程に所属するリサ・ロウ氏は、10ブランドのガムをそれぞれ7個かみ、研究チームが唾液を化学的に分析したところ、ガム1グラムから平均100個のマイクロプラスチックが放出されていることが分かった。中には600個以上のものもあった。ガム1個の平均重量は約1.5グラム。

研究チームは、年間約180個のガムをかんでいる場合、およそ3万個のマイクロプラスチックを摂取している可能性があると指摘している。

さらに、合成ガムを使用している5ブランドと、樹液などの植物ベースのポリマーを使った天然ガムを使用している5ブランドのガムを検査したところ、「どちらにもマイクロプラスチックが大量に含まれていることに驚いた」とロウ氏はAFPに語った。

研究を主導したサンジェイ・モハンティ氏はAFPに、「不安を引き起こしたいわけではない」とし、マイクロプラスチックが人体に有害であることを直接示す証拠はないと述べた。

また、他の食べ物や飲み物に比べると微々たる量だと強調した。

昨年発表された別の研究結果によれば、ペットボトルの1リットルの水には平均24万個のマイクロプラスチックが含まれている。

今回の研究結果について、オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)のオリバー・ジョーンズ教授(化学)は、マイクロプラスチックを比較的少量摂取した場合、「人体に影響を与えずに排出される可能性が高い」とし、「ガムをかむのをやめる必要はまだないと思う」との考えを示した。(c)AFP