寒冷のハルビン、氷雪観光の熱い盛り上がり・中国
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【3月29日 Peopleʼs Daily】冬の日、氷と雪の彫刻の楽園に足を踏み入れると、まるでロマンチックな童話の世界に迷い込んだような気分になる。昨年12月31日、黒龍江省(Heilongjiang)の「ハルビン氷雪大世界(Harbin Ice & Snow World)」では、営業時間を翌日の午前0時半まで延長し、大勢の観光客がここで活気あふれる年越しをした。
統計データによると、昨年12月11日の大世界開園から31日までの間で、延べ64万人近い来場者数が記録された。
「ネットであらかじめ園内の様子をどれだけ見ていても、一歩足を踏み入れた瞬間、氷と雪の美に対するこれまでの認識が一新された」、江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)から初めて同園を訪れた観光客の秦(Qin)さんは、氷点下摂氏マイナス10度以下の気温の中でも、その熱い興奮は冷めやらなかった。
彼は氷と雪の彫刻作品を「まるで神業のように精巧で、息をのむほど美しい」と褒め称え、スマホで何百枚もの写真を撮影していた。
「第26回ハルビン氷雪祭」では、2月7日から14日まで開催された「ハルビン冬季アジア大会」に合わせて「一つの夢、アジアは一つ」がテーマとして掲げられ、氷雪大世界の園内のデザインにも、冬季アジア大会とのコラボ要素が色濃く取り入れられた。
中でも目を引いたのは、園内のメインタワー「アジアは一つ」である。これは園内で最も高さのある展示物として、アジアオリンピック評議会の公式エンブレムからインスピレーションを得て造形されたものだ。タワーの中心は輝く太陽の形をしており、そのタワー本体を取り囲むように何本もの氷柱が巧みに配置された構造だった。氷柱は下から上に向かって少しずつ内側に傾き、あたかも階段を上るような視覚効果を生み出していた。
氷雪大世界の設計者である崔師堯(Cui Shiyao)氏は「1万人を超す氷の彫刻の専門家がここに集まり、各分野の達人が最高の技術を駆使して、残業もいとわず観光客のために夢のような氷の王国を作り上げた」と話す。
楽園の総面積は100万平方メートル、使用された氷雪の総量は30万立方メートル、いずれも過去最高を記録した。これほど膨大な作業量をいかに効率的に、品質高く完成させられるか。これに対して、科学技術と氷雪の品質との融合が、良好な解決策を提供した。
地元の企業「ハルビン氷雪大世界(Harbin Ice and Snow World)」と「ハルビン工業大学」が昨年4月から、優秀な科学技術に対する政府報奨金制度である「23年黒竜江省『掲榜挂師(Bangbang Guashuai)』科技重点プロジェクト」の一つ「インテリジェント自動化標準氷塊生産設備開発」における協力開発をスタートした。
このプロジェクトの責任者であるハルビン工業大学機電工程学院の任秉銀(Ren Bingyin)教授は「これまでの人手による作業が中心の景観作りとは異なり、我々は半年以上の調査と実践を経て、マルチセンサーデータ融合技術と人工知能視覚認識測量技術を採用し、氷塊の姿かたちが自動的に感知・識別できる装置を開発した。この装置と自動制御技術とを組み合わせることで、標準的氷塊の生産プロセスの知能制御が可能となり、景観建造用の氷塊の生産効率と品質の大幅な改善に成功した」と解説する。
松花江から採取した「荒削りな氷塊」を、機械で効率的に均一なサイズにカットする。
氷雪大世界の設計研究開発部の叢配玉(Cong Peiyu)部長は「氷塊の表面を平らで滑らかにすることが、その後の氷の建造物のより良い基礎となる」と話す。
また、来場者が会場で体験する仕掛けにも「科学技術のモデル装置」が使われている。第1回開催から受け継がれてきた氷雪大世界のシンボル「世紀の鐘」では、今回は音響、照明、電気技術が一層多く使用された。鐘が鳴るたびに「世紀の鐘」を取り囲む花びら状の氷の建造物とその氷の表面に光と影が流れ、鐘の音と美しい光との視聴覚の相乗効果で、非常に趣向に満ちた仕掛けになっていた。
「氷雪大世界」が氷の彫刻の芸術王国とするならば、「太陽島・雪の博覧会」の方は雪の彫刻の壮麗な世界である。
「太陽島・雪の博覧会」はこれまで37回開催され、国際的な雪の彫刻の芸術イベントとなっている。会場では白磁にコバルトブルーの染付を施した陶磁器「青白磁」をモチーフにした雪の彫刻が、多くの観光客を魅了していた。
この雪の彫刻は、長さ17メートル、高さ14メートル、幅8メートルで、約1800立方メートルの雪が使われていた。壺型の本体は客を迎えるようにかがむ姿で有名な「迎客松」や縁起の良い兆しを表す「祥雲」など中国の伝統的なデザインが丁寧に彫刻され、大変活き活きとしたエレガントな作品となっていた。
そのほかにも、ハルビン市内の香坊区(Xiangfang)の街角広場に設けられた「雪だるま景観帯」、ハルビン新区の「ハルビンの心・幸せの島」で抱き合う「雪だるまのカップル」、閻家崗(Yanjiagang)農場の雪原での巳年限定販売の「雪娃娃(雪の子人形)」など様々な姿の雪だるまが、まるでおとぎ話の夢の世界に足を踏み入れたかのような楽しい雰囲気で、観光客を喜ばせていた。
冬が始まって以来、各地から氷と雪を求める観光客が絶え間なくハルビンを訪れている。
昨年12月1日から21日までの間、ハルビン空港の旅客輸送数は延べ142万5000人に達し、前年同期比13.9%増加した。その旅客数のうちおよそ60%が観光客であった。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews