【3月24日 CGTN Japanese】近年、人工知能(AI)技術は飛躍的な発展を遂げており、世界中で注目を集めています。中でも、オープンAI、ミストラルAI、ディープシーク(DeepSeek)の3社は、その最先端を担う存在として、AI市場の中心に位置しています。一部では「世界のAI市場はこの3社による『三国時代』に入った」とまで言われています。しかし、技術力、市場シェア、応用分野、そして今後の動向を総合的に見ると、この見方には慎重になるべき理由があります。

 まず、技術力において3社はいずれも高いレベルにあります。オープンAIは、GPTシリーズなど自然言語処理分野で革新をもたらし、画像生成AI「DALL・E」や企業向けチャットGPTなども開発しています。ミストラルAIはAI倫理や可説明性で高い評価を得ており、欧州大手銀行で活用される透明性の高い金融モデルを提供しています。ディープシークは画像認識や自動運転、医療分野に強みを持ち、中国で商用化された自動運転システムは累計100万キロ以上の走行実績を誇ります。

 市場シェアでも3社は大きな存在感を放っています。しかし、グーグル、アマゾン、メタ、バイドゥ(百度)、テンセント(騰訊)などの巨大企業もAI分野で確固たる地位を築いており、競争は極めて多様で複雑です。さらに、医療や金融、自動運転といった各分野に特化した企業も成長しており、単純に「三国時代」とは言い切れません。

 加えて、AI市場は変化が激しく、今後も新興企業やオープンソースコミュニティーの台頭が予想されます。最終的に生き残るのは、単なる技術力ではなく、強固なエコシステムを築き、多様なパートナーと連携できる企業であるとみられます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News