ネタニヤフ氏、「左寄り」官僚らを批判 「ディープステート」に警鐘
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【3月21日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に投稿した動画で、「左寄り」の官僚らを激しく批判し、「ディープステート(闇の政府)」の危険性を警告した。ネタニヤフ氏は現在、行政府への権力集中を図っているとして非難されている。
「ディープステート」という言葉は、2017~2021年のドナルド・トランプ米大統領の第1次政権時によく使われた。
トランプ氏はこの言葉を使い、大統領としての職務遂行および自らを選出した民意を妨害するために秘密裏に活動している官僚がいると非難した。
ネタニヤフ氏はティックトックの個人アカウントに投稿した1分間の動画で、「彼らは政府と私を植物のように何もしない存在にしたがっている」「だが、そうはさせない」と述べた。
ネタニヤフ氏は19日夜、この動画をX(旧ツイッター)にも投稿したが、後に削除した。
動画は、ネタニヤフ氏がイスラエル議会の廊下を歩きながら、盟友トランプ氏の発言を繰り返す内容だった。
イスラエル史上最も右寄りの政権を率いるネタニヤフ氏は「ほとんど変わることのない恒常的な官僚機構こそが、イスラエル政府内に深く根を張り、有権者よりも自分たちの方が、国民にとって何が良いかを知っている存在だと決めつけている」「こうした官僚たちは常に左寄りだ」と述べた。
さらに、自身が「ディープステート」の一員と見なしている官僚らを皮肉り、「あなた方は国民に合わない法律を通そうというのか? それなら、われわれが阻止する。国民が望まない役人を任命しようとするのか? それもわれわれが阻止する」と述べた。
ネタニヤフ氏は2023年、最高裁判所の権限の制限を目的とした司法改革を打ち出したが、同年10月7日のイスラム組織ハマスによる越境攻撃で中止となった。
ネタニヤフ氏は最近、国内治安機関シャバクの長官を解任する意向を表明し、野党の反発を受けている。
イスラエル政府は3月に入り、ネタニヤフ氏を公然と批判してきたガル・ミハラブ・ミアラ司法長官の解任手続きにも着手している。(c)AFP