ポーランド、ウクライナ向けスターリンクに126億円支出と発表 マスク氏との衝突受け
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【3月21日 AFP】宇宙開発企業スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」のウクライナ向けサービスをめぐり、同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とポーランドが論争を繰り広げている。マスク氏がポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相とインターネット上で激しく衝突したことを受け、ポーランドのデジタル化省は20日、同国はウクライナ向けのスターリンクに約3億2300万ズロチ(約126億円)を費やしてきたと発表した。
ドナルド・トランプ米大統領の側近でもあるマスク氏は、ウクライナ軍向けのスターリンクを停止すれば、ロシア軍の全面侵攻に対する「前線全体が崩壊する」と述べた。
シコルスキ外相は、「ウクライナ向けスターリンクの費用は、ポーランドのデジタル化省が年間5000万ドル(約74億円)を負担している」とX(旧ツイッター)に投稿。
これに対しマスク氏は「小者は黙ってろ。貴国が支払っているのは費用のごく一部にすぎない。そしてスターリンクに代わるものはない」と冷笑したが、最終的にはウクライナ向けスターリンクを維持すると表明した。
ロシアの侵攻を受ける隣国ウクライナを一貫して支持するポーランドは20日、支援の詳細を明らかにし、ウクライナ向けスターリンクに「約3億2300万ズロチ」を費やしたと明らかにした。
ポーランドのデジタル化省はAFPに対し、「これらの資金は端末2万4560台の購入と月額利用料に充てられた」と説明した。
スペースXのスターリンクは、2022年2月に開始されたロシアの侵攻を受けるウクライナに端末が送られたことを契機に、世界的な注目を集めた。それ以来、ウクライナ軍にとって不可欠な通信手段となっている。
ポーランドは今年、ウクライナ向けスターリンクに2000万ドル(約30億円)の支出を計画している。
マスク氏はシコルスキ外相との論争の後、「はっきりさせておくが、私がどれだけウクライナの政策に反対しようと、スターリンクの端末を停止することはない」とXに投稿した。
だが、ウクライナは先月、スターリンクに代わる通信手段を検討していると表明した。(c)AFP