性別騒動のボクサー、トランプ氏に「おびえない」 ロスで五輪連覇狙う
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【3月20日 AFP】昨年のパリ五輪で性別をめぐり騒動になったボクシング女子のイマン・ヘリフ(アルジェリア)が、2028年のロサンゼルス五輪で2大会連続の金メダルを目指すと話し、ドナルド・トランプ米大統領におびえることはないと語った。
トランプ氏は先月、トランスジェンダー女性の女子競技参加を禁止する大統領令に署名した。過去には、ヘリフについて性転換をしたと事実とは異なる発言をしたこともあった。
ヘリフは英ITVニュースで、「米国の大統領が米国でトランスジェンダー政策に関する決定を下した」とした上で「私はトランスジェンダーではない。これは私には関係ないし、私がおびえることもない。これが私の答え」と述べた。
国際オリンピック委員会(IOC)は先日、新しい国際統括団体としてワールドボクシング(WB)を暫定承認し、ボクシングをロス五輪でも実施する方向性を示した。
ヘリフは、ロス五輪で「二つ目の金メダル」を獲得することが目標だと話し、「私に対する一連のキャンペーンから多くのことを学んだ。パリ五輪で起きたことは衝撃的な経験だった。今は自分が以前よりさらに強くなったと感じる」と続けた。
「私は自分のことを他の女の子と同じように女子だと思っている。女の子として生まれ、女の子として育てられ、一生を女の子として生きてきた」と強調し、自身の性別が問題にされたのは大会で成功を収め始めてからのことだと指摘した。
トランスジェンダーの選手や「体の性のさまざまな発達状態(性分化疾患、DSD)」を持つ選手の女子競技への参加は、現在行われているIOC会長選の中心的な問題となっている。
フアン・アントニオ・サマランチ・ジュニア氏、セバスチャン・コー氏、カースティ・コベントリー氏の主要候補3人は、「女子カテゴリーを保護」する必要があると主張している。
ヘリフは「IOCの次期会長が真のスポーツマンシップを発揮し、五輪の原則に忠実で、フェアプレーの価値観を守ってくれることを望む」と語った。(c)AFP