イスラエル、地上作戦を再開 ガザ住民に「最後通告」
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【3月20日 AFP】イスラエルは19日、パレスチナ自治区ガザ地区で地上作戦を再開したと発表した。ガザの住民に対しては、人質を返還し、イスラム組織ハマスを権力から排除するよう求める「最後の警告」を発した。
イスラエル軍は今週、1月の停戦開始以来最も激しい空爆を実施。ガザ民間防衛隊のマフムード・バッサル報道官は19日夜、イスラエルが空爆を再開して以来、ガザ地区で少なくとも470人が死亡したと述べた。
イスラエル軍は「安全地域を拡大し、北部と南部の間に部分的な緩衝地帯を作るために、ガザ地区の中部と南部で標的を絞った地上作戦を開始した」と発表した。
停戦維持を求める外国政府の一斉の呼び掛けにもかかわらずイスラエルが新たな爆撃を続ける中、19日には逃げる民間人の長い列がガザ地区の道路を埋め尽くした。
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相はビデオ声明で、2007年以来ハマスが支配している「ガザ地区の住民」に「これが最後の警告だ」と述べ、「米国大統領の助言に従い、人質を返し、ハマスを排除すれば、他の選択肢が開かれるだろう。世界の他の場所に行きたい人々にはその可能性も含まれる」と語った。
ドナルド・トランプ大統領は今月、「ガザの人々へ。美しい未来が待っているが、人質がこのままならそれはない。このままなら、あなた方の命はない!」と発言していた。
2023年10月7日のハマスの攻撃で拘束された251人の人質のうち、58人が依然として拘束されている。そのうち34人については、イスラエル軍が死亡を確認している。
これまでのところ、ハマスはイスラエルの空爆に対して軍事的に反撃しておらず、ハマスの幹部は停戦合意を軌道に戻すための協議に応じる用意があると述べた。
しかし、3段階から成る停戦合意を再交渉するというイスラエルの要求は拒否している。
幹部は「ハマスは交渉の扉を閉ざしていないが、新しい合意は必要ないと主張している」とAFPに説明し、イスラエルに「交渉の第2段階を開始するよう」求めた。
停戦合意の第1段階は3月初めに期限切れとなり、その後の進め方を巡る協議は行き詰まっている。(c)AFP