【3月14日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は13日、二重小惑星探査計画「Hera」の探査機が前日、火星の衛星「ダイモス」の貴重な画像を撮影したと発表した。

ESAの会見によると、11日に火星をスイングバイした「Hera」の探査機は火星の重力を利用して加速し、方向転換をするとともに燃料を節約した。

探査機は約1時間にわたり、火星の表面から5600キロの距離を時速3万3480キロで飛行。この機会を生かして一部の科学機器をテストし、ダイモスの貴重な画像を含む約600点の写真を撮影した。

火星の衛星には、直径12.5キロの衛星ダイモスと、それよりも大きいフォボスの二つの衛星があり、それらの形成過程については依然、議論が続いている。

ESAのHERA計画は、2022年に米航空宇宙局(NASA)が行った地球接近小惑星の軌道を変えるための地球防衛実験の影響調査を目的としている。

NASAが実験で体当たりさせた小惑星がある二重小惑星系は、地球から約1100万キロ離れた火星・木星間に位置し、HERAの探査機が到着するのは2026年末の見込みとなっている。(c)AFP