【3月2日 CGTN Japanese】中国天津大学の研究チームはこのほど、「パラフィン補助浸漬法」と呼ばれる新技術を開発し、キラリティーをコントロールできるグラフェンロールを作ることに成功しました。関連する研究成果は国際的な学術誌『ネイチャーマテリアルズ』に発表されました。

 キラリティーとは、物体が鏡に映った像がもとの構造と重ならない「ねじれた」性質を指します。そのような性質を持つ材料をキラル材料といい、その開発は光学機器、スピントロニクス、量子計算などの先端技術の発展を推進する上で重要な意義があるとされています。代表的な2次元材料であるグラフェンは導電性や強度、化学的安定性が高い一方、キラリティーを持っていません。

 中国の研究チームはキラリティーを持ったグラフェンを作るために、「パラフィン補助浸漬法」と呼ばれる新技術を開発しました。この技術を使ってグラフェンを制御可能な角度で曲げることで、特定のキラリティーを持つグラフェンロールを作ることができます。実験で作られたグラフェンロールは顕著な光学活性(物質が直線偏光した光を透過する際に、偏光面が回転する現象)と優れたスピン選択効果を示しました。この特性は、スピントロニクス分野での応用においてグラフェンロールに独自の可能性を与えました。

 今後、同技術はスピントロニクスデバイス、量子計算、光学機器、材料科学などの分野で従来の炭素材料を超える独自の機能をもたらすことが期待され、スピントロニクスと量子技術の発展にも新たな活力を注ぎ込んでいくものとみられます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News